私たちは新しいタイプの全体主義、つまりリベラルな全体主義と向き合っている!   アレクサンダー・ドゥーギン  2025年12月13日

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「新しい全体主義:リベラル・トータリタリアニズム」がもたらす世界の危機

アレックス・ジョーンズ氏がロシアの著名な哲学者であるアレクサンドル・ドゥーギン博士を迎え、現在の世界が直面する危機的な状況、特に核戦争の脅威と、それを引き起こしているとされる「リベラル全体主義」について深く掘り下げた議論をまとめたものである。

新たな全体主義「リベラル・トータリタリアニズム」
ドゥーギン博士は、人類の歴史において、過去の共産主義的全体主義、ファシスト的/国家社会主義的全体主義に次ぐ、第三の形態の全体主義が台頭していると警鐘を鳴らす。それが「リベラル・トータリタリアニズム」である。

この新しい全体主義は、検閲や独裁を伴い、あらゆる正常な、合理的な利益や価値を犠牲にして、その「狂気の熱狂的なアジェンダ」を推し進めようとしている。これは非常に危険な潮流であり、世界の終末、すなわちハルマゲドンを引き起こす可能性があると指摘されている。
平和を望むアメリカと戦争を望むヨーロッパ:二つの「西側」
議論の核となっているのは、現在の「西側」が、ドゥーギン氏の言葉を借りれば「二つの西側」に分裂しているという分析だ。
• MAGA(トランプ)のアメリカ: トランプ氏とMAGA運動は、この崩壊しつつある全体主義の渦から脱出し、平和を望む「健康な人々」の側として描かれる。彼らが提唱する「アメリカ・ファースト」の戦略は、ユーラシア大陸の紛争に介入せず、自国の安全保障と国益に集中することを目的としている。
• グローバリストのEU: 一方、ヨーロッパ連合(EU)は、オバマ氏やバイデン氏らが主導した過去のグローバリストネットワークの「残りカス(residue)」であり、依然として同じグローバリストの命令に従い続けているとされる。彼らは、自国の経済や人口動態が崩壊する中で、ロシアとの「20〜30年に及ぶ通常戦争」を事業モデルとして構想し、ロシアを分断・征服しようという「狂気の」計画を推進している。
EUの指導者たちは、トランプ氏をロシア以上に「主敵」と見なしており、アメリカを終末的なシナリオに引きずり込もうと、文字通りの核のロシアン・ルーレットを仕掛けている状態にあると分析されている。
核戦争回避の鍵はNATOと米国の関与
世界が核戦争の瀬戸際にある中で、その回避策として、ロシアとMAGAのアメリカとの共通理解が唯一の道であると提唱される。
• NATOはアメリカの添え物: NATOは独立した実体ではなく、単にアメリカの軍事力の「添え物」「延長」に過ぎない。
• 米国が引けば戦争は止まる: したがって、もしワシントン(トランプ政権)がこの戦争を止めるという決定を下せば、この戦争は決して起こらない。アメリカが関与と支援を完全に断てば、EUが単独でロシアと戦争を始めることは不可能である。
• ロシアの姿勢: ロシア側は、NATOやEUに対する侵略的な計画は持っておらず、核兵器がある以上、攻撃する必要もないと強調している。ロシアが必要としているのは、ウクライナにおける自国の安全保障上の問題を解決することだけであり、平和と相互理解の道を望んでいる。

イデオロギー戦争:伝統的価値の擁護
この紛争の根底には、単なる地政学的な対立ではなく、深遠なイデオロギーの対立がある。
• グローバリズムの「反神」思想: 現代リベラル・グローバリズムの核心は、神と超越的な価値に対する戦いであり、「サタン的な支配」を人類に押し付けようとする反人間的な世界秩序である。
• 伝統の復権: ロシアは、伝統的価値、キリスト教的価値、家族を法律で守り、この「サタン的な勢力」に対抗する道を示している。これは、MAGAがアメリカで試みている伝統的価値への回帰と軌を一にするものである。ドゥーギン博士は、自身の娘が、この伝統とキリスト教を守る思想のために、グローバリストのテロリズムの道具と化した勢力によって殺害されたと語り、この戦いの深刻さを訴えた。
結論:グローバリズムからの離脱
この危機的状況を打開し、核戦争を回避するために、ドゥーギン博士は、トランプ政権が「ディープステート」の影響力を本当に克服できるかにかかっていると指摘する。
そして、最終的な目標は多極世界の実現である。多極世界に対するロシアとMAGAのビジョンには違いがあるものの、本質的な共通点は「グローバリズムを拒否すること」「サタン的・左翼的・トランスヒューマニスト的イデオロギーを排除すること」にある。
トランプとプーチンの相互理解が、この反人間的なアジェンダの覇権を止め、より安全な国際秩序へと世界を導くための鍵となる。