「伝統とは、完全に開かれた、動的で、生命力に満ちたプロセスである」
アレクサンドル・ドゥーギン(イワン・イリイン記念「高等政治学校」教育研究センター所長、哲学博士・政治学博士・社会学博士)
── 伝統とは、過去の中から永続するもの、最も本質的で根源的なもの、すなわち絶対的な核心を見出し、それに偶発的かつ副次的に重なった要素を取り除いていくことです。この営みは、国民および社会に属する知的・精神的・文化的・歴史的な諸力を結集して初めて可能となる、高度な歴史的継承の構造にほかなりません。したがって、伝統とは、閉ざされたものではなく、常に開かれ、動的であり、生き生きとしたプロセスであると考えます。
伝統とは、過去を現在を通じて未来へと伝える歴史的過程そのものです。言い換えれば、その内容に対して最終的な判断を下すのは、まさに現代に生きる私たち自身であるということです。この点に、伝統という主題の繊細さと微妙さがあります。
時代が移り変わり、イデオロギーや自己意識、またロシア史における歴史的アイデンティティに大きな揺らぎが生じたとしても、本質的で価値ある要素は世代を超えて常に継承されてきました。歴史的な規範と人文学的な規範は、共に伝統を形成し、それらの解釈を通じて、民族・国家・教会・文化・芸術の基盤を次世代へと確実に伝えることができるのです。
私たちは伝統を肯定します。この意思は、国家元首からも明確に表明されており、国民の間にも広く共有されています。重要なのは、単に伝統を現実のものとすることではなく、その中で何を継承し、何を伝えるのかという内容を明確に定めることです。私たちの責務は、次の世代のロシア人、そしてこの偉大な国家の市民を形づくることにあります。
翻訳:林田一博
