アレクサンダー・ドゥギン:   「地政学、価値観、そして暗い光」  2025年9月19日

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「クレムリンの頭脳」アレクサンドル・ドゥーギン、タッカー・カールソンとの対談で語る思想と世界観

社会学者、政治学者、哲学者であり、ロシアの地政学派とユーラシア運動を創設したアレクサンドル・ドゥーギン氏が、タッカー・カールソンとのインタビューに登場しました。
彼は「超国家主義者、ファシスト、新ユーラシア主義者」といったレッテルを貼られていることに対し、これらはすべてプロパガンダであり、自身の思想は反自由主義、反グローバリズム、反普遍主義であると明確に反論しています。

思想の核心:伝統的価値観と多極世界
ドゥーギン氏は、現代の西洋文明は唯一の文明ではなく、多様な文化や文明がそれぞれ独自のアイデンティティを持つ権利があると主張します。

彼がロシアが守るべきだと考える「伝統的な価値観」とは、近代以前の価値観、すなわち宗教、信仰、政治的・社会的ヒエラルキー、生活の神聖化などです。
彼は、ロシアの国民は常にこれらの伝統を守ってきた一方で、エリート層は西洋化を受け入れてきたという歴史観を提示し、現在のプーチン大統領と国民の間には、この伝統的価値観の擁護という点で一致が見られると分析しています。

経済と政治:制裁とトランプへの失望
ロシア経済については、西側の制裁にもかかわらず、かえって繁栄していると主張しています。制裁がロシアに自国産業と経済を発展させ、アジアや他の非西洋諸国との関係を強化する機会を与えたと指摘しました。

また、ドナルド・トランプ氏については、当初大きな期待を寄せていましたが、中東政策などにおいて「MAGA」の原則から逸脱し、新保守主義に近づいたことに失望したと述べています。

スピリチュアリティと現代社会
インタビューでは、タッカー・カールソンが西洋の指導者は悪魔に憑かれていると発言したことに関連し、ドゥーギン氏は自身も正教会のキリスト教徒として、近代の唯物論的思考とは異なり、天使や悪魔の存在を信じていると語りました。

最後に、彼は多極世界こそが人類の未来であり、それは伝統的な価値観への回帰によってのみ実現可能であると締めくくりました。